北陸新幹線、なぜこのルート 与党が主導 国「答える立場にない」

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野口陽
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 「なんとしても来年の4月には着工していただけるものだと思っている。政府は重く受け止めていただきたい」

 10月24日、国会にほど近い永田町のホテル。福井県選出の自民・高木毅衆院議員はずらり並んだ約150人の国会議員や沿線自治体の首長らを前に声を張り上げた。

 会合は「北陸新幹線(敦賀・大阪間)建設促進大会」。関西などの8府県と4政令指定市で構成する関西広域連合などが主催した。高木氏が訴えたのは、着工時期が未定の敦賀(福井県)から新大阪までの延伸工事だ。

 関西広域連合はそもそも、現計画とは別の延伸ルートを推していた。敦賀駅から滋賀県米原駅を通り京都駅へとつなぐ「米原ルート」で、工費や工期が少なくて済むというのがその理由だった。

 しかし2016年、高木氏ら与党国会議員で作る与党整備新幹線建設推進プロジェクトチーム(PT)がそれを覆す。

 福井県小浜市付近を通過し京都駅へつなぐ「小浜ルート」を採用すると決定。国土交通省はこれを国の計画として位置づけ、関西広域連合もこの案の支持にまわった。

 国土交通省の試算によると、小浜ルートは米原ルートに比べ、敦賀―新大阪間を約20分短く結ぶが、建設費は約1・5兆円高く、工期は5年長い。

 国民により大きな負担を強い…

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