守られなかった道幅4メートル 韓国雑踏事故、路地を狭めた「違法」
違法建築で道幅が狭くなったことが、雑踏事故の一因となった――。150人以上が犠牲となった韓国ソウルの繁華街・梨泰院(イテウォン)の路地での事故について、韓国のメディアや建築の専門家から、そんな見方が出ている。現場付近の路地には、大きくせり出した複数の建物があり、人の流れを妨げた可能性がある。
身動きがとれないほど密集した人が折り重なって倒れた事故の現場は、多くの花が供えられた地下鉄梨泰院駅の1番出口から歩いてすぐの坂道だ。
10月29日夜の事故の後、規制線が張られて立ち入れないが、入り口付近から坂を見上げることができる。ハロウィーンの仮装グッズ、菓子、カボチャの玩具などが散乱したまま。あの日の喧騒(けんそう)を伝えている。
周辺の細い路地には飲食店などがひしめきあう。
テラスやステージ、ベンチ、エアコンの室外機など店舗から路地にせり出しているものも散見される。建築工学が専門の安亨濬(アンヒョンジュン)・元建国大教授は「まるで違法増築のデパート」と言う。
法律があっても「無法」の理由
実際に、梨泰院を管轄する龍…
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- 【視点】
痛ましい雑踏事故の詳細が明らかになるにつれて「これは防げた事故であり、人災とも言うべきではないか」という思いが募るとともに大変心が痛みます。今後、違法建築物が実質放置されてしまっていた事実を国や行政が重く受け止め、飲食店やホテルなどが建築法
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