ノーベル賞の受賞者、なぜ米国大学が多い 原動力は競争だけじゃない

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経済季評 竹内幹・一橋大准教授

 毎年10月にはノーベル賞の受賞者が発表される。オリンピックのように「日本人」の受賞を期待する人もいるが、科学者に国境はない。受賞者の国籍よりも、どの国の研究機関に属するのかに注目したい。

 文学賞と平和賞を除く科学の分野では、近年の受賞者の約半数がアメリカにおり、圧倒的な強さを見せつけている。だが、ノーベル賞の授与が始まった20世紀初頭は、アメリカの大学の影は薄い。科学の中心は依然、ヨーロッパにあったのだ。

たけうち・かん 1974年生まれ。一橋大学准教授。米ミシガン大博士。研究テーマは実験経済学、行動経済学。

 科学の分野のノーベル賞受賞者600人余の経歴を調べた調査がある。ノーベル財団が発表する受賞者の経歴には、出身校や在籍機関など様々な形で大学名が言及されているので、それらを年代別・国別に集計したものだ。ただし出身大学であれば、受賞年ではなく、卒業した年に計上する。これにより、受賞者を育てた有力な大学の変遷もみることができる。

 集計によれば、19世紀後半…

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