被災の水田、稲刈り150人 気仙沼で交流会

星乃勇介
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 11年半前の東日本大震災で被災した宮城県気仙沼市の水田で8日、国内外の約150人が稲刈りを通じて交流するイベントが開かれた。秋晴れの下、鎌を手にした参加者は、汗をぬぐいながら作業に励んだ。

 広さ約10アール、稲はひとめぼれ。震災で妻を亡くした元気仙沼消防署の指揮隊長、佐藤誠悦さん(70)の水田で、当時は津波が運んだがれきに覆われた。その後、家族で復旧させ、2013年から「稲刈りカップ」として交流会を開いてきた。新型コロナの影響で中断が続き、3年ぶりとなった。

 登米市から参加した佐藤里咲さん(8)は「初めて刈ったが、いつものお米はこう作るんだとよくわかった」。母の真紀さん(40)は気仙沼市の実家が津波で流された。「この水田の周辺も一面がれきだった。催しが開けるまでになったことがうれしい」

 佐藤さんは「語らいの場として来てくださることに感謝している」と話した。(星乃勇介)

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