オリパラ機に知られた国民的課題 新国立競技場の「最高水準」とは
何だったのか、東京五輪・パラリンピック【インタビューシリーズ】
東京五輪・パラリンピックが招致され、社会には変化が現れました。その一つがバリアフリー。福祉の街づくりが専門の高橋儀平・東洋大名誉教授は、新国立競技場が現時点での最高水準と振り返ります。残された課題と共に、話を聞きました。
――オリパラ招致後の街の変化をどのように見つめていましたか。
バリアフリーについて、私はこれまで、研究者として法制度やガイドライン作りに携わってきました。正直、私自身は、リオデジャネイロなどに比べれば東京大会はそこまで心配はいらないのでは、と思っていました。バリアフリーや学校教育、生活保障などについて、長年取り組んでいる障害者運動の歴史や成果が数多くあったためです。
オリパラの東京招致が決まったのは2013年ですが、同じ年の6月、IPC(国際パラリンピック委員会)が「アクセシビリティーガイド」というものを出していました。ガイドを読み、「日本は考え方、現状ともに遅れているな」と感じました。このガイドが、その後のバリアフリー施策に大きな影響をもたらしたと考えています。
――どのようなガイドなのでしょうか。
東京五輪・パラリンピックから1年。「復興」「多様性と調和」などがうたわれた祭典は何を残したのでしょうか。汚職事件、スポーツ振興に残したもの、施設や人材を生かすには、復興やSDGsと五輪などについて、詳しい識者や関係者に功罪も今後の課題も聞きました。
開催地が準備すべき施設やサービスについて、理念と方法を示したものです。特徴は、06年に国連で採択された障害者の権利条約を踏まえていること。障害者の尊厳や自立の尊重、自由に移動できるような環境づくりを求めています。
それまで、競技場については国のバリアフリー法がありましたが、一般的な出入り口や通路など共有空間のみで、客席の利用のしやすさなどを考える基準はありませんでした。
IPCのガイドを踏まえつつ設計され、整備プロセスも含めて、バリアフリーについて現時点の最高水準にあるのが新国立競技場だと考えています。
――新国立競技場での成果は。
当初の「ザハ案」から変更さ…
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