ヤングケアラー、栃木県が初の実態調査 小中高生の割合、全国上回る

山下龍一
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 大人の代わりに家族の世話や介護をする子どもたち(ヤングケアラー)について、栃木県が初めて県内の実態調査をし、結果(速報値)を公表した。「世話をしている家族がいる」と答えた小中高生の割合は、国による全国調査の結果を上回った。県は詳細を分析し、来年度予算で支援策を検討する。

 調査は7、8月に実施。県内の公立と私立学校の小6、中2、高2の計約5万2千人を対象に調べた。

 「世話をしている家族がいる」と答えたのは、小6が12・0%(今年3月発表の国の調査は6・5%)、中2が8・2%(昨年3月発表の国の調査は5・7%)、全日制の高2が5・0%(同4・1%)で、県の調査結果が国の調査結果をいずれも上回った。

 世話を必要とする家族は誰なのかについても尋ねた。小6、中2、高2ともに「きょうだい」が4割超で最も多く、次いで「母親」「父親」だった。世話の内容は「家事」「見守り」の順だった。

 一方、世話の頻度は「ほぼ毎日」が3割超で最も多く、小6で33・8%、中2で35・3%、高2で37・4%になった。

 「ヤングケアラー」という言葉の認知度を聞くと、「聞いたことはない」「聞いたことはあるが、よく知らない」を合わせた回答が、中2と高2でそれぞれ7割前後を占めた。自分がヤングケアラーだとの認識があるのは、中2と高2でともに1・4%だった。

 県は有識者を交えて詳細な分析をし、12月に調査報告書をまとめる予定だ。

 福田富一知事は10月25日の定例会見で「家族が病弱であることに伴うケアと通常の家事手伝いなどが混在していないか、内容の分析が必要だ」と述べたうえで、来年度予算を使って必要な支援策の検討を進める考えを示した。(山下龍一)

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