ことでん車両、手作業でゴシゴシ 落雷で洗車機使えず「復活」
【香川】高松琴平電気鉄道(ことでん)の仏生山車両所(高松市)にある洗車機が、今月初めの落雷の影響で使えなくなった。このため、琴平、長尾両線を運行する電車60両の洗車は、かつて行われていた全面的な手作業が「復活」。残暑が続く中、職員らが丹念に車両を洗っている。
洗車機は線路の左右にあり、車両が低速でくぐり抜ける間に、側面の窓ガラスやドア、車体を電動ブラシなどで自動的に洗う。ただ、先頭部分や連結面など洗車機が届かない場所は、これまでも手作業で洗ってきたという。
今月1日午後、県内は強い雷雨に見舞われ、車両所の洗車機の上の電柱に設置されていた変圧器に落雷。洗車機に電力が送れず、稼働できなくなった。復旧には数カ月を要する見通しという。
13日午後、琴平線の電車2両(1編成)が洗車スペースに入ると、職員5人が洗剤を付けたモップで先頭部分や側面の窓などを入念に洗った。すぐにホースの水で流し、1時間ほどかけて仕上げていた。琴平線の40両と長尾線の20両について、各車両とも1カ月に数回程度、この作業が続く。
車両所の船越正裕助役によると、「洗車機は昭和の時代からあるので、恐らく全面的な手作業での洗車は三十数年ぶりではないか」という。「サービス面からも洗車は欠かせないが、手作業は洗車機の3倍も時間がかかり、残暑の厳しい今は炎天下の過酷な作業になる。早く変圧器が交換されて、洗車機が復活すれば」と話す。
手作業による鉄道車両の洗車は、洗車機の普及によって全国の車両基地でも減少。四国ではJR徳島運転所(徳島市)が手作業での洗車を行っている…
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