「閉ざされた世界」京都の光照院、本堂・五葉の松をライトアップ

お参りノート

筒井次郎
[PR]

 京都の同志社大キャンパス近くに重厚な門構えがある。普段は非公開の尼門跡(あまもんぜき)、光照院(こうしょういん)だ。

 創建は1356年。南北朝の動乱の世を憂えた後伏見天皇の皇女・進子(ますこ)内親王が開いた。全国から尼僧が集まり、仏の道を究める道場として栄えたという。

 尼門跡とは出家した皇族や公家の女性が営む寺院のこと。現在も京都や奈良に十余の寺があり、光照院もその一つだ。

 応仁の乱の後、1477年ごろに現在の地に移った。しかし、都の多くを焼き尽くした江戸時代の天明の大火(1788年)でお堂を焼失。再興を支援した光格天皇が「常磐(ときわ)御所」の称号を授けた。「永久に続く。そんな願いを込めたのでしょう」。第22世住職の伏見浄香(じょうこう)さん(53)はそう語る。

特別公開のライトアップ、25日まで

 この秋に京都古文化保存協会が主催する「京都非公開文化財特別公開」(朝日新聞社特別協力)で、本堂が初めてライトアップされる=写真は試験点灯、同協会提供。25日までの午後6~8時。拝観料1千円。書院の枯山水庭園の五葉の松も照らされる。常磐の称号にふさわしい、樹齢500年の見事な松だ。

 伏見住職は「一般の寺院とは違う、閉ざされた世界だからこそ伝わった文化や空気を感じてもらえたら」と話す。(筒井次郎)

     ◇

 《メモ》京都市上京区安楽小路町425。京都市営地下鉄烏丸線・今出川駅から徒歩約10分。京都古文化保存協会(075・451・3313)。

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

#KANSAI

#KANSAI

近畿の魅力を再発見する新企画。社会・経済から文化・スポーツまで、地元愛あふれるコンテンツをお届けします。[もっと見る]