吉都線6駅で地域住民ら草刈り、「ななつ星」歓迎へ準備万全

大野博
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 吉松駅と都城駅を結ぶJR吉都線の主要駅で14日、地域の人たちとJR社員らがホームや駅周辺の草刈りをした。

 この日作業があったのは、肥薩線との乗り換え駅で鹿児島県湧水町にある吉松と、宮崎県側のえびの飯野、小林、高原、高崎新田、谷頭の計6駅。

 高原町の高原駅では、長さ136メートルのホームのうち、列車が発着するのは都城寄りの58メートル分だけ。吉松寄りはホーム上に草木が生い茂っていたが、地域の人たち約20人が、持ち込んだ自前の草刈り機で手早く刈り取っていった。

 地元のボランティア団体「よくしようや会」のメンバー、森いつ子さん(70)はこれまでも、12月~1月に駅周辺を彩るイルミネーションの手配や、駅前ロータリーの花壇の世話をしてきた。「吉都線にはえびの市の実家から小林市の高校への通学でお世話になった。当時はまだSLで、私が駅へ走ってくるのが見えると機関士さんが出発を待ってくれるというのどかな時代。数十年越しで恩返しができてうれしい」と話した。

 吉都線は2020年度の1日1キロ当たりの平均利用者数(輸送密度)が408人にとどまり、年間3億4千万円の赤字を出すなど厳しい収支状況だが、来月20日から豪華寝台列車「ななつ星」が初めて乗り入れるという明るい話題も。さっぱりと刈り込んだホームで列車を出迎える準備も万全だ。(大野博)

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