「実在しない地名の駅、観光業にマイナス」 上毛高原駅めぐり要望書
上越新幹線の上毛高原駅(群馬県みなかみ町)。建設当時の仮称がそのまま正式名称となった駅名をめぐり、町と町商工会、町観光協会が15日、「みなかみ」を含めた地域名を入れて改めるよう求める要望書をJR東日本高崎支社に提出した。
この日、鬼頭春二町長ら3者のトップが同支社を訪れ、町民や周辺市町村、県外からの観光客らから集まった1万4145人の署名を添えて、南沢千春支社長に要望書を手渡した。
要望書では「仮称として上毛高原駅となり、実在しない地名が駅名として使い続けられてきた。町に新幹線駅があるということが首都圏の人から分かりづらく、観光業にとってもマイナスの影響は少なくなかった」と、今の駅名が抱える課題を指摘している。
上毛高原駅は旧国鉄時代の1982年11月15日、新幹線の開業と同時に、3町村合併前の旧月夜野町内に誕生した。駅名については当時、関係者間で議論を重ねたがまとまらず、同年2月4日の朝日新聞は〈「月夜野」「奥利根」などの案も出たが、広域的なニュアンスから仮称通りとなった〉と報じている。
2017年には、町を中心とする地域が「みなかみユネスコエコパーク」に登録され、「外国人観光客にとっても分かりづらい」「世界に開かれたゲートウェーにふさわしいまちづくりにふさわしい駅名であるべきだ」との声が商工・観光関係者の間で強まった。
町は「上毛高原駅を核としたまちづくり構想策定委員会」を発足。関係者らが駅名と駅周辺のまちづくりについて議論を重ね、今年2月、「駅名の確定」と「新駅名にふさわしい周辺整備」を2大プロジェクトに据えた構想をまとめた。
同策定委員会の委員長も務めた町商工会の入内島一崇会長は取材に「これが第一段階。利根全域のコンセンサスをしっかり得られるように、町を後押ししていきたい」。南沢支社長は広報を通じ、駅名変更について「まずは周辺地域のご理解を得ることが重要と考えている」とコメントした。
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