鉄道ある風景、150点 愛好家17人が写真展、横浜で14日から

岩堀滋
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 神奈川県内の鉄道を、風景と絡めて撮影する鉄道愛好家17人の写真展が14~19日、横浜市内で開かれる。県内の鉄道路線を広く網羅し、沿線の四季を織り込み撮影を重ねた力作だ。横浜は日本の鉄道発祥の地で、今年は鉄道開業150年の節目。10月14日の鉄道記念日を前に、メンバーは「鉄道だけでなく、県内各地の魅力も見つけてもらえたら」と意気込む。

 「TRAIN×KANAGAWA」と題した写真展。鉄道車両の撮影だけではなく、四季折々の自然や街並み、工場地帯など、神奈川ならではの風景と鉄道が溶け込む作品が中心となっている。富士山をバックに走る新幹線の「ドクターイエロー」や、横浜市内の水路脇のJR貨物線を走る東京メトロの車両など、珍しい作品もある。

 メンバーの穐田(あきた)英則さん(54)は、「県内の鉄道路線は臨海工場地帯の鶴見線や、山岳鉄道の箱根登山線、都会を走る小田急線などバラエティー豊か。神奈川を盛り上げたい」と語る。吉原勇樹さん(57)は「鉄道は人の暮らしに密接な存在。作品と自身の人生と重ね合わせる方もいるのでは」と言う。

 写真展は今回で3回目。従来は各自で活動していたが、友人などからの紹介を通じて集まるようになったという。井手芳男さん(59)は「四季や昼夜、時刻によっても風景は変化し、面白いアングルになる」と解説。河野信紀(のぶとし)さん(54)は「各自が四季や時間、それによる光の当たり方などを計算して撮った」という。

 17人は30代後半~60代前半。本職はカメラの開発に携わってきた元技術者のほか、大学職員や中学校長、システムエンジニア、宅配便ドライバー、銀行員など多彩だ。写真展に向けて、なるべく県内全域の路線を対象に撮影するよう心がけた。メンバーが各自2枚ずつ自信作を準備するなど、ここ数年の撮影中心に計150点が並ぶ。今後も毎年写真展を続ける予定だ。

 昨今は、線路に入り込んだり駅員とトラブルを起こしたりする「撮り鉄」の問題がクローズアップされがちだ。吉原さんは「鉄道好きは、鉄道に興味がない人にも理解してもらえるような活動をしていかないといけない」と話す。

 会場は横浜市神奈川区のJR東神奈川駅と京急東神奈川駅の間にある同区民文化センター「かなっくホールギャラリーA」。19日までの午前10時~午後7時(19日は午後5時)、入場無料。来場者に作品の一部約20点を印刷した冊子も配られる。問い合わせはメンバーの三橋康弘さんのメール(ymphoto@ymail.ne.jpメールする)へ。岩堀滋

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