自転車でそのまま乗れる 丹鉄サイクルトレイン運行開始 京都

大野宏
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 京都丹後鉄道(丹鉄、京都府宮津市)は10日から、自転車をそのまま持ち込める「丹鉄サイクルトレイン」の運行を始めた。

 通常は自転車を解体したり折りたたんだりして袋に入れなければ乗車できないが、1両編成の気動車両端の8席を可倒式に改造。4台分の駐輪スペースを設けた。

 1日1往復、西舞鶴―豊岡間を普通列車として、来年2月28日(年末年始と車両検査日除く)まで走らせる。乗降できるのは、西舞鶴、宮津、天橋立、夕日ケ浦木津温泉、豊岡の5駅のみ。下りは西舞鶴発午前10時37分、上りは豊岡発午後1時。

 事前予約制で追加料金は不要。予約は発車時刻までに丹鉄サイクルトレイン予約ページ(https://trains.willer.co.jp/cycletrain/別ウインドウで開きます)で。

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 10日から始まった丹鉄サイクルトレインを、ロードバイク歴15年の記者も利用してみた。第1便を始発の西舞鶴から予約したのは自分1人。図らずも利用者第1号になってしまった。

 自前のロードバイクで午前10時過ぎに駅に着くと、丹鉄の改札口に行列ができていた。下りのサイクルトレインになる普通列車は京都を朝一番に出た特急と接続するので、天橋立観光に都合が良いのだという。

 入線してきた気動車は鮮やかな黄色。後ろから乗る一般客の邪魔にならないよう、前のドアから駐輪スペースに入る。立っている人もいる中、4席分のスペースを自分と自転車で使うのは少し肩身が狭い。

 駐輪用ポールにチェーンキーで自転車をくくったが、列車が走り始めるとずるずる動き出し、慌てて手で押さえた。ポールに付いている面ファスナーでもうまく固定できない。収納された座席の隙間にハンドル下部を押し込んで止めたが、この手は1台しか使えないし、席が空いていても、自転車から離れられないので座れない。

 宮津からは丹後の自転車団体「BLUE DRAGON」の2人が府のモニターとしてロードバイクを持ち込み、天橋立まで試乗した。大同秀樹さん(46)は「混んでいると他のお客さんに気を使う。いろいろな時間帯で使えたら便利かな」と話した。

 記者も天橋立で降り、上り列車までの約2時間半の待ち時間に、伊根町まで行ってみた。天橋立を渡り、舟屋地区まで片道約1時間。脚力不足のアラカンライダーには、舞鶴から自走で伊根町まで往復するのはちょっとためらわれる遠さなので、「中抜き」ができるのはありがたい。

 サイクルトレインは、全国的にも中小鉄道などで広がっている。滋賀県近江鉄道のサイクルトレインは、記者も時々利用していた。こちらは、予約不要、ほぼ全線で利用可能。一大観光地の天橋立を抱える丹鉄では難しい面もあると思うが、利便性の向上を期待したい。(大野宏)

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