慣例にない天皇陛下の国葬参列 過去に1例のみでも英王室とは縁深く

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多田晃子
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 英国のエリザベス女王の訃報(ふほう)を受けて、天皇陛下が同国での国葬に参列する方向で調整が進められている。参列すれば、皇室の慣例からして異例なことと言える。

 皇室では、外国王室や元首の葬儀などには、皇族方が参列するのが通例となっている。特に皇室とゆかりが深い国の元首や王族らの葬儀などに参列してきた。

 例えば1999年2月、ヨルダンのフセイン国王の葬儀には、当時皇太子ご夫妻だった天皇、皇后両陛下が参列した。

 国王は89年の昭和天皇の大喪の礼に参列するなど計4回来日。上皇さまも皇太子時代の76年、昭和天皇の名代として、皇太子妃だった上皇后美智子さまとヨルダンを訪問している。

 2017年10月のタイのプミポン前国王の葬儀には、秋篠宮ご夫妻が参列した。ナマズの専門家としても知られる秋篠宮さまは、研究などのため何度もタイを訪問。メコンオオナマズなどの淡水魚類や家禽(かきん)類の調査研究が認められ、18年12月にはタイのマハーサーラカーム大学で生物学の名誉博士号を贈られた。

 当時天皇、皇后両陛下だった上皇ご夫妻は、前国王の葬儀には参列しなかったものの、17年3月、ベトナム訪問の帰路にタイに立ち寄り弔問した。ご夫妻は、91年の即位後初の外国訪問先としてタイを訪れている。

 13年12月にあった南アフリカ共和国ネルソン・マンデラ元大統領の追悼式には、当時皇太子だった天皇陛下が参列した。外国の王室関係者以外の葬儀や追悼式に、日本の皇族が参列するのは初めてだった。

 宮内庁によると、天皇が外国王室や元首の葬儀へ参列したのは、93年のベルギーのボードワン国王の国葬に当時天皇、皇后両陛下だった上皇ご夫妻が参列した1例のみだ。

 ベルギー王室とご夫妻の縁は…

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