「親鸞 生涯と名宝」展、京博で3月開幕 生誕850年で国宝11件

西田健作
[PR]

 浄土真宗を開いた親鸞(しんらん、1173~1262)の生誕850年を記念し、京都国立博物館京都市東山区)で来年3月から「親鸞 生涯と名宝」展(朝日新聞社など共催)が開催される。同館で7日、記者会見があった。

 浄土真宗本願寺派(本山・西本願寺)、真宗大谷派東本願寺)、真宗高田派(専修寺〈せんじゅじ〉)など浄土真宗各派の寺院が所蔵する寺宝を展示。国宝11件、重要文化財約70件を含む約170件が一堂に会する史上最大規模の親鸞展になる。

 親鸞は京都生まれ。浄土宗の開祖・法然(ほうねん)の弟子になり、阿弥陀仏を信じてすがれば万人が救われると説いた。

 展示の目玉は、親鸞が信仰を体系化した主著で、浄土真宗の根本聖典の「教行信証(きょうぎょうしんしょう)」。自筆の坂東本(国宝)、弟子が写した西本願寺本と高田本(いずれも重文)が同時に展示される。ほかに、肖像画の「親鸞聖人影像(安城御影副本)」(国宝)や、生涯を絵巻で伝える「本願寺聖人伝絵(康永本)」(重文)も出品される。

 同館の上杉智英研究員は「坂東本には親鸞が80歳のころに修正した部分がある。実物を見ると、悩み悩んで考え抜いたことが生々しく伝わってくる」と話した。会期は来年3月25日から5月21日まで。

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

この記事を書いた人
西田健作
文化部|大阪駐在・美術担当
専門・関心分野
美術、宗教、歴史