エチオピアで5カ月ぶりに戦闘再開 政府軍と反政府勢力 遠のく和平

ヨハネスブルク=遠藤雄司

 エチオピア政府軍と、北部ティグライ州の反政府勢力ティグライ人民解放戦線(TPLF)側が24日、戦闘を再開した。双方が声明を発表し、相手側が口火を切ったと非難している。政府が3月に無期限の停戦を宣言して以降、小康状態が続いてきたが、和平合意が大きく遠のいた。

 エチオピア政府側がフェイスブックに投稿した声明は、24日午前5時ごろにTPLFが、ティグライ州南東部から隣接するアムハラ州側へ攻撃をしかけたと主張。「彼らは自らの行動で停戦を破った」とTPLFを非難した。

 また、政府系メディア「ファナ」は、隣国スーダンからティグライ州に武器を輸送しようとしていた航空機を政府軍が撃墜したと主張している。

 一方、TPLF側も声明で、政府軍がここ数日、軍の再配置を進めていたと指摘。政府軍が24日午前5時ごろ、ティグライ州への攻撃を始めたと訴えた。

 国連世界食糧計画(WFP)は18日、今年6月までの調査で、ティグライ州内に暮らす人々の約半数が深刻な食糧不足に陥っていると明らかにしていた。戦闘の再開により、支援物資がさらに届きにくくなり、州内の状況は悪化しそうだ。(ヨハネスブルク=遠藤雄司)…

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