第4回トランプ氏もロシア楽観主義に陥った 米国に必要なのはプーチン思考
「トランプ前大統領は、私にこんな質問をしたんです」
2019年まで大統領補佐官としてトランプ政権の外交安全保障政策を担ったジョン・ボルトン氏を取材に訪ねると、そう言って当時の記憶を明かしてくれた。
「あれは18年にトランプ氏とプーチン大統領の会談場所を選んでいたときのことでした。ロシア側はウィーンを希望していたのですが、私はフィンランドの首都ヘルシンキにしたかったのです」
どちらの都市を選ぶべきかと相談すると、トランプ氏は「ロシアの好きなようにさせればいい。フィンランドはロシアの衛星国のようなものじゃないのか?」と言ったという。
「移動の飛行機の中でも、首脳会談に向けて私が説明をしているのに、彼はテレビでサッカーのワールドカップを見ていましたから」
「トランプ氏はプーチン氏が好きだった。なぜなら…」
ロシアによるクリミア併合から約3年。17年にトランプ政権が誕生すると、米国のロシアへの姿勢は大きく揺らいでいった。ボルトン氏の証言からは、そんな経緯が浮かび上がる。
トランプ氏は、ウクライナがロシアの脅威にさらされていることを「認識していなかったし、気にもしていなかった」とボルトン氏は振り返る。ロシアへの制裁強化を進言するボルトン氏に対し、トランプ氏は同意を渋ったという。
「彼はプーチン氏のことが好…
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- 【視点】
この特集を読み直すと、いろいろ気づかされる――とくにアメリカ側の論理について。しかし、まだわからないことが多い。とりわけプーチン側の思考・態度・政策(の変化)だ。 記事にも「プーチン氏の歴史観や被害者意識は強固なものだったのだ」と繰り
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