「キカイダー」音楽の格好良さ 特撮ファン「宙明先生に何があった」

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定塚遼
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 「マジンガーZ」や「人造人間キカイダー」などの音楽で知られる渡辺宙明(ちゅうめい)さんが6月23日、96歳で死去した。渡辺さんが残し、受け継がれたものは何だったのか。アニメやドラマ音楽に詳しい音楽ライターの不破了三さんに聞いた。

 アクション系のアニメや特撮の音楽といえば……? なんとなく皆が思い浮かべる定型のようなものがあると思います。

 勇壮なメロディーと熱いシャウト、高らかに鳴る管弦楽器、効果音などとして使うシンセサイザー……。こうした日本独特の音楽様式のひな型ができた大きなきっかけは、ともに渡辺宙明さんが音楽を手がけた1972年の特撮番組「人造人間キカイダー」とアニメ「マジンガーZ」でした。

 70年代初頭、テレビで特撮やアニメが盛り上がる中で、同時期に活躍した小林亜星さん、菊池俊輔さんらとともに定石を作り上げた。その中でも渡辺さんの役割はとりわけ大きかったのではないでしょうか。

 たとえ渡辺宙明の名前を知らない世代であっても、ヒーローもの、ロボットものと言えばあの音楽、という定型はもはや意識に刷り込まれています。

名ジャズプレーヤーに師事した40代

 現在50~60代のアニメ・…

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