湿地の木がメタン放出、根から幹にパイプライン 温暖化への影響は?
瀬川茂子
湿地の微生物によって作られた温室効果ガスのメタンが、樹木を通して地中から大気中に放出されており、季節により放出量が変動していることがわかった。湿地に生えるハンノキを調べたところ、根から幹へガスを運ぶパイプラインのような構造が見つかった。メタンが通る放出ルートと見られるという。京都大などのグループが英専門誌に15日、発表した。
自然起源のメタンの放出源や量、大気濃度の変動のしくみは詳しくわかっていない。これまで見過ごされてきた放出ルートや量を正確に推定することは、メタンの削減対策を定める上で重要な情報となる。
メタンの発生源には、家畜の牛のげっぷや石炭採掘、ごみの埋め立て処分場など人為起源のほか、湿地からの自然起源もある。湿地では、地中の微生物がつくったメタンが直接地表から放出されるルートのほか、最近は樹木を経由した放出の報告も相次いでいた。
グループは滋賀県の湿地のハ…
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