「男女格差116位」順位上がれば問題解決? 専門家が懸念すること
13日に世界経済フォーラム(WEF)が発表したジェンダーギャップ指数が146カ国中116位だった日本。菊地夏野・名古屋市立大准教授(ジェンダー論)は、この指数の向上を目指すだけではジェンダー格差の解決にはつながらないと言います。どういうことでしょうか。
――今回の結果をどう受け止めますか。
調査対象国が10カ国減ったにもかかわらず、順位はほとんど変わりませんでした(昨年は156カ国中120位)。コロナ禍で飲食店が休業するなど、サービス業で働く女性が打撃を受けたことに対し、各国で取り組みがなされました。一方で、日本は経済分野の指数も順位も下がりました。対策が不十分だったことの表れではないでしょうか。
コロナは、特に非正規雇用で働く女性たちに大きな影響を与えました。クビにされる女性、シフトを減らされ、給与を減らされる女性が多く出ました。
国の発表によると、コロナ禍で男性の自殺者が減った一方で、女性の自殺者は増えました。女性への負担は相当なものがあったと思います。
1人10万円の特別定額給付金が、個々人ではなく世帯主の口座に振り込まれたことが「個人に届くのか」と批判されました。また、その後は、事業者への支援が中心でした。どれだけ女性たちにわたったのか、検証するべきです。
――ジェンダーギャップ指数からは、何を読み取れますか。
指数については、私はジェンダーの授業の初回で使っています。入り口として取り上げると、すごくわかりやすい。この数年は少し変わったかも知れませんが、学生も「日本は男女平等が進んでいる」と思いこんでいて、でもそうではないという説明をするきっかけになります。
ただし、女性差別というのは…
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