「黄金の3年」手にした岸田首相 どうする改憲・アベノミクス路線
上地一姫
参院選を乗り切った岸田文雄首相だが、自民内で指折りの実力者だった安倍晋三元首相が銃撃され死亡したことは、今後の政権運営にも大きく影響する。
安倍氏は一昨年まで7年8カ月にわたり首相を務め、90人を超す党内最大派閥の領袖(りょうしゅう)だった。長期にわたって政権中枢で力を振るい、「保守」勢力の支持を一身に集めた。リベラル派閥を率いる首相とは、対極ともいえる立ち位置にいた。その存在が突然欠けたことで、首相は新たな自民内の秩序づくりを迫られることになる。
まず問われるのは、内閣改造と自民党役員人事だ。首相は今後3年、国政選挙をしなくてもいい「黄金の3年」とされる期間を手にした。その入り口となる人事で、どういったメッセージを出すのか。
岸田派は安倍派の半分程度の…