献花台に「約束のキャベツ」 遅い帰り待つあなたの切なさが見えた

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戸田拓
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 献花台に置かれていたのは、薄緑の丸いかたまりだった。「なぜここにキャベツが?」。思わず目を疑った。

 6月20日のことだ。

 発生直後から、北海道斜里町で起きた観光船事故の取材を続けてきた。この日は同町職員へのインタビューを終えた夕刻、町役場に設けられた献花台を訪れた。

 すると、見慣れない供え物が目に入った。

 ライトアップされた白い布の上には、町職員らが手入れした花々が並ぶ。その左奥に、人気マンガ「鬼滅の刃」やゴリラのキャラクターグッズなどが置かれていた。

 フラワーバスケットやパイナップルに挟まれていた包み紙には、「It’s PLAY TIME!」の文字。そして、その手前にあったのが、透明な袋に包まれたキャベツだった。

 まるごと1個が置かれていたキャベツに近寄ると、油性ペンで書かれたとみられるメッセージに気づいた。

 「『知床から帰ったらキャベツ食べるから』って言ったじゃん!! 帰るの遅いから約束のキャベツもってきたよ!!」

 思いがけない内容に、驚き、当惑した。

 それらの供え物が届けられた…

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