東日本大震災の後、宮城県石巻市に移住し、地域医療に貢献してきた医師の長純一さんが28日、多臓器不全で亡くなった。56歳だった。
今月21日、末期の膵臓(すいぞう)がんを患っていると公表していた。
「石巻がこの先、光り輝く町として復興する姿をみられないのは残念。少しでも思いを引き継いでもらえれば」
伝えたいことを整理する中、容体が急変した。
長野県の佐久総合病院に勤めていた長さんは2011年、長野県が派遣した医療団の団長として、石巻市を訪れた。
5千人近い被災者が暮らす仮設住宅に付属の医療施設がないと知り、12年に仮診療所の所長に就いた。その後、市包括ケアセンター所長を務め、医療や介護が適切に受けられ、高齢者や病気のある人も住み慣れた地域で暮らせる「地域包括ケア」を根付かせようと尽力してきた。
異変を感じたのは、この春。
おなかの違和感や便秘がひどくなった。5月下旬、近くの医療機関で診てもらうと、腹水がたまっていた。
6月2日に石巻市立病院でCTを撮ると、6センチもの腫瘍(しゅよう)が膵臓にあった。進行した膵臓がんで、肝臓や腹部リンパ節に転移していた。
記事の後半では、最期の過ごし方や幼い娘への思いもご紹介します。
「画像を見た瞬間、うすうす…
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