きれいなギザギザにはワケがある サギソウの花びらの秘密、明らかに

有料記事

矢田文
[PR]

 サギソウの花びらが派手なのは、昆虫への視覚的なアピールではなくて、実はもっと機能性を重視したものだった――。神戸大などのチームがそんな研究成果を突き止めた。花びらの役割を考える重要な研究になりそうだ。

 サギソウは本州から九州にかけて分布する野生ランの仲間。日当たりのよい平地や山のふもとの湿地に自生し、夏の時期にはまるでサギが羽を広げたようなギザギザとした花を咲かせる。美しい見た目から、古くから園芸植物としても親しまれている。

 ラン科の花は3枚ある花びらのうち1枚が大きく成長する。これは特定の昆虫を呼び寄せるように進化したものだとされる。ただ、サギソウに特徴的なギザギザの花びらが、どういう効果を持つのかはよくわかっていなかった。チームはこの謎に迫った。

 サギソウの花粉は主にガのスズメガが媒介する。スズメガは空中でホバリングしながら花の蜜を吸う。チームは、ギザギザの役割は花粉を運んでくれるスズメガを呼び寄せる視覚的な目印だと考えた。

 そこでサギソウがギザギザの…

この記事は有料記事です。残り695文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません