たとえカタツムリの歩みでも 私たちが「投票します」の声を撮る理由

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丹治翔
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 「これは広告でも政府の放送でもなく、僕たちが僕たちの意思で作った映像です」

 俳優の二階堂ふみさんと仲野太賀さんが語ります。昨年10月、俳優やミュージシャンら14人が衆院選の投票を呼びかける動画が公開されました。

 SNS上で反響を集めましたが、衆院選(小選挙区)の投票率は戦後3番目の低さでした。それでも、動画を仕掛けた市民団体「VOICE PROJECT(VP)」は、7月10日投開票の参院選に向けて、第2弾の動画を準備しました。そして、息の長い取り組みにしようと、資金も募っています。発起人たちはなぜ発信に力を入れるのでしょうか。

参院選が公示される22日に第2弾動画の公開を予定しているVOICE PROJECT。継続的に活動できるよう、制作費を募るクラウドファンディングhttps://motion-gallery.net/projects/voice-project別ウインドウで開きます)を今春に始めました。

SNSで反響、期待高まったが

 昨年10月31日。衆院選投開票日、メディアが伝える投票率の速報値を見た映像プロデューサーの大越毅彦さん(53)はショックだった。最終的に確定した投票率は55・93%。前回衆院選より上昇したが、その幅は2・25ポイントにとどまった。

 CMなどの映像をつくる仲間とともに、VPを始めた。国際的にも低い水準にある日本の投票率に対して、何かできることはないか。思い立ったのが、俳優やミュージシャンら著名人のパワーを借りることだった。広告業界に身を置き、彼らの影響力は痛感していた。

 彼らが投票や選挙について、どう思っているか。生の声を伝えることで、関心とともに、政治の話がもっと気軽にできる世の中になれば――。大越さんたちの思いに、小栗旬さんや橋本環奈さんら14人が応じ、3分半の動画「VOICE PROJECT 投票はあなたの声」ができあがった。

 公示3日前にYouTube…

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この記事を書いた人
丹治翔
ネットワーク報道本部|双方向企画担当
専門・関心分野
メディア・SNS、スタートアップ、人口減社会