子ども支援策に所得制限は「せこい」 国会で発言の明石市長に聞く

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聞き手・中井なつみ
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 国の子育て施策の多くに保護者の所得制限が設けられています。コロナ禍で支援を必要とする人が増える中、そのあり方をめぐって議論が起きています。

 所得制限を設けずに、子ども施策に力を入れてきた兵庫県明石市の泉房穂市長は6月7日、こども家庭庁に関する参院内閣委員会の審議に参考人として呼ばれ、「所得制限を掛ければ必要な予算は減るが、効果は薄い。せこいお金ではなく、思い切ったお金で子育て支援策を」と述べました。2021年の出生数が約81万人と過去最少となるなど、少子化に歯止めがかからないなか、「子どもの未来を本気で応援すれば、少子化は改善できる」とも。

 同市では出生率が全国平均を上回るペースで推移し続け、人口は9年連続で増えています。発言の背景にある、明石での取り組みへの思いを聞きました。

すべての子どもをみんなで支える

 ――2011年の市長就任後、第2子以降の保育料無償化、18歳までの子どもの医療費の全額補助といった施策を、すべて所得制限なしで実現しています。

 就任当初から、「すべての子どもをまちのみんなで支える」ことを考えてきました。なかでも、子どもが豊かに育つために行う施策に対して、所得制限はつけたらいけないと思っています。

 なぜなら、大人と違い、子ど…

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