自民党の裏金事件を受けた政治資金規正法改正をめぐり、自民が水面下で進めていた日本維新の会との交渉が頓挫した。岸田文雄首相が訴える今国会中の成立のためには、いったんは決裂した公明党との交渉に回帰し、譲歩するしかないとの見方も浮上している。
自民の浜田靖一、維新の遠藤敬両国会対策委員長は21日、国会内で会談。維新側は22日に独自の改正案を単独提出する方針を伝えた。
自民は当初、連立パートナーの公明と与党案をまとめようと模索。しかし、政治資金パーティー券の購入者の公開基準額や、政党から議員個人に渡される「政策活動費」の使途公開の手法で溝が残り、共同提出を断念した。
自民は参院で単独過半数に達しておらず、成立には他党の協力が不可欠だ。維新は政権にたびたび協力し、「ゆ党」と揶揄(やゆ)されることもある。自民は維新を取り込み、公明を揺さぶろうと茂木敏充幹事長や首相側近の木原誠二幹事長代理が水面下で交渉を重ねてきた。
だが、公明に続いて折り合え…