コウノトリの「ひなた」が巣立ち 渡良瀬遊水地
栃木、茨城、埼玉、群馬4県の4市2町に広がる渡良瀬遊水地で今春生まれたコウノトリのヒナ「ひなた」(雌)が5日、68日齢で巣立ちした。巣立ちとは巣から飛び出して着地することで、雄の「セラ」はまだ巣立ちしていない。
2羽のヒナは3月29日(推定)に孵化(ふか)した。昨年誕生した2羽のヒナより、2日遅い巣立ちだった。
親の「ひかる」(雄6歳)と「レイ」(雌3歳)は5月下旬からヒナに与える餌の量を少しずつ減らし、人工巣塔から見える池のあぜや土盛りの上からヒナを見上げて、巣立ちを促していた。
ヒナはしばらく親鳥と一緒に近くの田んぼや池で餌の採り方を習う。親鳥からエサをもらう姿もまだ見られる。雄の「セラ」は巣の上で約2メートルの高さまでホバリングしているものの、巣立ちをためらっている。
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午後0時53分、母鳥の「レイ」を追うように飛び立った「ひなた」は約8分間、遊水地の上を飛び回った。草原に下りたのが午後1時1分。
一度飛ぶことを覚えた「ひなた」は巣を再び飛び出し、親の「ひかる」が後を追う場面もあった。
兵庫県立コウノトリの郷公園(豊岡市)によると、巣立ったばかりのヒナは怖いもの知らずで、送電線などの障害物の位置を認識していないので、事故が多く発生する時期だと言う。
遊水地周辺の田んぼでは田植えがほぼ終わった状態。カエルなどの餌を採るにはいい時期になった。ただ、栃木市藤岡町の部屋地区の水田では餌を与えている人が目撃されている。ヒナの餌の中にアジが入っていたという情報もある。
餌付けは野外での自活を妨げたり、自分で餌を探さなくなったりする恐れがあり、小山、栃木の両市ではやめるよう呼び掛けている。観察・撮影は最低でも150メートル以上離れて行うのがマナーだ。
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