感染対策「見直すとき」 マスク・アルコール消毒…小児科医の懸念
新型コロナウイルスは、軽症者が多いとされるオミクロン株の流行もあり、マスク着用のあり方など、感染対策をめぐる議論が起きています。この2年あまり、感染対策によって人と交わる経験も減り、とくに発達の途上にある子どもへの影響を懸念する声もあります。どう考えるべきなのか。小児科医として子どもをみている川上一恵さんに話を聞きました。
かわかみ・かずえ
1987年、筑波大医学専門学群卒。茨城県立こども病院などでの研修を経て、96年に東京都渋谷区で小児科クリニックを開業。20年以上子どもと向き合う。2017年から東京都医師会理事も務める。
新型コロナの感染拡大が始まった2年前、人々は未知のウイルスを恐れました。
死者が出て、重症化リスクの高い人に感染を広げないために、手洗い、手指消毒の徹底、外出自粛、マスクの着用、飛沫(ひまつ)防止用のパーティションの設置など、あらゆる対策が取られました。
重症化リスクの高い高齢者や基礎疾患を持つ成人のほとんどが2回のワクチン接種を受けた今年初めにかけ、オミクロン株が流行しました。
拡大し始めた当初と比べ、重症化する人は少なくなり、子どもでは、軽症ですむケースがほとんどと言われています。
一方で、子どもたちをめぐる感染対策はほとんど変わっていません。
たたいたりあきらめたりする子も
最近の見直しの議論があるま…