AV救済法案、週内にも衆院通過 6月初旬に成立へ

久永隆一

 アダルトビデオ(AV)の撮影や公表で生じた被害を救済するため、超党派の国会議員がまとめた「AV出演被害防止・救済法案」について、衆院内閣委員会は25日、委員長提案で衆院に提出することを全会一致で決めた。27日にも衆院本会議で可決され、6月初旬に成立する見通しになった。

 法案は与野党6党による実務者会合で13日にまとめていた。

 出演者の年齢や性別に関わらず、AVの公表から1年間は無条件に契約解除ができることが救済策の柱だ。今後2年間に限り、契約解除ができる期間を2年間とする特例措置も盛り込んだ。仮に無条件の契約解除をしても、出演者に損害賠償を求めることはできないと明記した。

 また、出演契約の際、性行為の内容を記した書面を出演者に渡したり、出演者が特定されるおそれを説明したりすることが、制作や公表を行う側に義務づけられる。

 金銭の授受を伴う契約によって性行為を行うことへの考え方といった課題については、2年以内の検討事項とした。

 今回の法案は、今年4月からの成人年齢の引き下げにより、18歳や19歳であれば保護者の同意のない契約を無効にできた「未成年者取り消し権」を使えなくなったことがきっかけになった。AV出演被害の救済策に穴が開いた状態となり、支援団体から早急な法整備を求める声が高まっていた…

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この記事を書いた人
久永隆一
さいたま総局次長
専門・関心分野
社会保障、教育、こども若者、貧困、人口減少