「欧州のパンかご」と呼ばれるウクライナの戦争被害や、世界最大の小麦輸出国であるロシアへの経済制裁が、世界の食料供給に悪影響をもたらす可能性が懸念されている。米政府は両国の小麦の輸出量が減ると予想。ロシア側からは輸出規制によって制裁に対抗することをほのめかす発言も相次いでいる。
国連食糧農業機関(FAO)によると、ロシアの2020年の小麦輸出量は世界1位で、ウクライナは5位。米農務省は侵攻直前の2月、両国の21~22年の小麦輸出量はそれぞれ3500万トン、2400万トンと予測していた。だが、今月12日に発表した予測ではそれぞれ3300万トン、1900万トンと下方修正した。
ウクライナの輸出減の背景には、輸出ルートの黒海をロシア軍が封鎖し、船が出航できなくなっていることが挙げられる。また、ロシアについては経済制裁の影響で海外との取引がしにくくなり、輸出量が減る可能性が指摘されている。
ロシア政府からは食料の輸出…
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