「第2青函トンネル構想」、北海道でじわり 建設費など課題山積

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日浦統 新田哲史 阿部浩明
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 現在の青函トンネルに並行して新たな海底トンネルを掘る「第2青函トンネル構想」について、北海道内の経済界を中心に必要性を訴える声が出ている。青函トンネルは北海道新幹線と貨物列車の共用だが、これを新幹線専用にして速度をアップ。新トンネルは貨物列車や自動車を通して物流網強化や観光振興にもつなげるという。2030年度中の北海道新幹線札幌延伸も見据えた動きだが、膨大な建設費や技術的な課題は多く、実現は容易ではない。

第2青函トンネル構想

 有力視されている構想は、日本プロジェクト産業協議会がまとめた円形の二層構造トンネル。上部が自動運転車専用の自動車道、下部が貨物列車専用の線路と避難通路兼緊急車両通路。トンネルの長さは31キロメートル、内径は15メートル。概算事業費は約7200億円、事業期間は約15年間を見込んでいる。

津軽海峡が「ボトルネック」

 北海道函館市内では18日、第2青函トンネルの意義や課題を考えるシンポジウムが開かれた。経済や建設、観光などの分野、自治体から約100人(オンラインでも約350人)が参加して意見を交わした。

 ゼネコンや鉄鋼メーカーなどで作る日本プロジェクト産業協議会の神尾哲也委員は基調講演の中で、「津軽海峡がボトルネックになり、物流がコスト高になっている」と指摘した。

 神尾氏によると、北海道―本…

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この記事を書いた人
日浦統
北海道報道センター|行政キャップ
専門・関心分野
「課題先進地」北海道の社会経済、再生可能エネルギー