大分宇宙港、初打ち上げ年内にも CSOが知事表敬

倉富竜太
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 小型人工衛星の打ち上げを手がける米ヴァージン・オービット社の最高戦略責任者(CSO)のジム・シンプソン氏と、シニアディレクターのモニカ・ジャン氏が16日、大分県庁に広瀬勝貞知事を表敬訪問した。シンプソン氏は大分空港での打ち上げについて「早ければ2022年後半。ライセンス許可の関係で23年になるかもしれない」と語った。

 広瀬知事は「20年4月に県とオービット社とでパートナーシップを締結した。あれからずっと訪問を待っていたが、ようやく実現した」と歓迎。その上で「大分空港を早く使ってもらいたいと思っている。日本を含めたアジアの宇宙産業の発展に寄与していきたい」と語った。

 シンプソン氏は「新型コロナウイルスの関係で訪問が遅れた」とした上で、「大分がアジアの宇宙開発のリーダーとなり、宇宙産業を大分に引き寄せることになるだろう」と応じた。

 シンプソン氏の県への訪問は初めて。日本に1週間半滞在し、国内事業者や関係省庁を訪問する予定。オービット社は英国での打ち上げも進めており、シンプソン氏は「英国での打ち上げはオービット社初の海外打ち上げで、細かい調整をしている。その結果を大分での打ち上げにフィードバックしたいと思っている」とした。

 また、大分空港での打ち上げ計画については「どこに何を配置するのかまだ決まっていない。現場を見る必要がある。不必要に急ぐのではなく、完璧な打ち上げをめざしたい」と語った。

 20年に、県とオービット社が大分空港を水平型の宇宙港として活用することで基本合意し、打ち上げをめざしている。水平型とは、航空機の下に衛星を積んだロケットを搭載し、高度1万メートル付近で切り離す方法だ。打ち上げ台などの設備は不要で、22年以降の実施をめざしている。(倉富竜太)

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