園児や保育士に暴行、保育所元副園長に猶予付き判決 福岡地裁

中山直樹
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 福岡県宗像市認可保育所「日の里西保育園」で、園児や保育士に繰り返し暴力を振るったとして暴力行為等処罰法違反(常習暴行、常習傷害)の罪に問われた元副園長、清原こづえ被告(43)の判決が10日、福岡地裁であった。伊藤寛樹裁判長は「園児の健全な人格育成を担うはずの保育園で累積された、あるまじき事案」として懲役2年執行猶予4年(求刑懲役3年)を言い渡した。

 判決によると、清原被告は2018年6月~19年9月、保育園内で、当時3~6歳の園児4人と30代の保育士2人の計6人に対し、顔を平手でたたいたり転倒させたりして、うち園児2人と保育士1人に全治5~7日のけがを負わせた。

 清原被告は「園児が成長していくために本気で働いていた。言われていることはしていません」と無罪を主張。弁護側は、被害者らの証言には信用性がないとしていた。

 伊藤裁判長は、園児のうち2人の親や保育士の1人は、傷を負った顔などをスマホで撮影しており、被害者の供述は合理的だと指摘。起訴内容のうち一部を除きほとんどを認定した。

 一方で、それぞれ暴行の経緯が異なり、被害者に手当てもしていることなどから常習性は認められず、暴力法違反ではなく、暴行と傷害の罪が成立すると判断。「傷害の結果が重くなく、暴行内容も悪質ではない」として執行猶予とした。

 弁護側は判決後、事実認定に誤りがあるとして、控訴する方針を示した。

 同園は1980年に開園し、2010年に清原被告の母親が園長として運営を引き継いだ。清原被告は2011年4月から副園長に就いていた。(中山直樹)

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