一票の格差を是正するための衆院選の「10増10減」の区割り変更を阻止しようとする自民党内の動きが、失速している。もともと自民、公明両党が区割り変更を主導しただけに、「ちゃぶ台返し」とも映る動きが夏の参院選に悪影響を与えかねないと、党執行部が神経をとがらせているためだ。

 「地方いじめのように『10増10減』をすることはちょっと考えたらどうか。心ない政治をやってはいけない」。「10増10減」の阻止に向けて旗を振ってきた細田博之衆院議長は4月上旬、東京都内のホテルで開かれた会合で、改めて持論を展開した。

 「10増10減」は、都道府県ごとの定数を人口に応じて増減させる「アダムズ方式」に基づいて算出された。人口の変化に合わせて地方の議席数を減らし、人口の多い都市部に多く割り振る。昨年11月に宮城、福島、和歌山、山口などの各県で選挙区が一つずつ減り、東京都が五つ、神奈川県が二つ選挙区が増えるといった具体的な区割り改定が明らかになった。

 その直後から、特に地方で強固…

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