急速な円安、暮らしを直撃 食品や雑貨値上げで消費意欲に影響

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益田暢子 杉山歩 栗林史子 中村建太 松本真弥
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 円安が一時、1ドル=131円を超えるまで進んだ。原材料の高騰もあって、暮らしや企業の活動に影響が広がる。毎日の買い物や外食の費用がかさみ、消費者は頭を悩ます。企業にとって円安はプラスとマイナスの両面あるが、急激な動きに経営者は対応を迫られている。

 円安は食品や雑貨など様々なものの値上がりにつながる。小売店に並ぶ商品では、今年に入って値上げが続く。都内のスーパーで28日に買い物をした女性(61)は、菓子やコーヒー、愛犬のおむつなどの値上がりを危惧する。「材料費や燃料が上がっていくのは2、3年では解決しないと思う。今のうちに買わなければいけないと思って駆り立てられちゃう」と話していた。

 全国で数十店舗を展開するワイン輸入・販売会社は、輸入ワイン約500品目のうち約180品目を5月にも値上げする。上げ幅は5~10%の予定だ。

 天候やコロナ禍によって欧米のワインの価格が上昇。原油高で物流費もかさみ、今年に入って値上げを検討していたという。そこに円安が加わり、担当者は「トリプルパンチの最後の一手がきたという状態。ここまでくると上げざるを得ない」と話す。

 沖縄を中心に全国に店舗がある外食チェーン「やっぱりステーキ」も円安に苦しむ。輸入牛肉が天候などの影響で高くなり、一部のメニューを2月に値上げした。「千円ステーキ」といった安価なメニューが売りで、なんとか価格を維持しようとしている。

 2月の値上げでは、希少部位「ミスジ」のステーキ150グラムは200円上げて税込み1400円にした。人気の「おすすめステーキ」は200グラムで千円だったが、150グラムに減らして価格は据え置いた。ハンバーグとステーキの新メニューや期間限定の商品を追加するなど、客の負担感が高まらない工夫を凝らしたという。広報担当者は「円安が進めば肉の仕入れに影響が出るので非常に怖い。努力でなんとか千円を継続したいが、これまで想像もしなかった状況になっている」と話している。(益田暢子、杉山歩)

「中間層の購買力が減速する恐れ」

 小売りや食品メーカーの多く…

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