原因不明の小児肝炎 小児科医が「気がかり」と話す理由と注意点は
英国を中心に、子どもが原因不明の重い急性肝炎を発症したという報告がWHO(世界保健機関)に相次いでいる。日本でも該当する可能性のある症例が報告されたと発表があった。わかっている情報が少ない中で何に気をつければいいのか。長崎大の森内浩幸教授(小児科学)に聞いた。
――急性肝炎とはどんな病気なのでしょうか。
肝臓が障害を受け、倦怠感(けんたいかん)や食欲不振、皮膚が黄色くなる黄疸(おうだん)が出る病気です。A~E型の5種類あるウイルス性肝炎が代表的で、ほかのウイルスが原因で起こることもあります。
ウイルス以外にも、薬がおこす薬剤性肝炎や自分の免疫が肝臓を攻撃する自己免疫性肝炎といったものがあります。
ただ今回報告されている急性肝炎は、原因がわかっていません。
――原因不明の肝炎はこれまでもあったのでしょうか。
小児科医が肝炎患者と接することは普段からよくあります。いずれにも当てはまらず、原因がわからないというのは実はしばしばあります。
ですが、自然に治るものが多いので、そこまで心配するものではありません。今回報告されているものは重症化率が高く、気がかりです。
――報告された中で多く見つかっているのはアデノウイルスだそうですね。
アデノウイルスはたくさん種…
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