辺野古埋め立て承認、急接近した2人の暗転 菅氏・仲井真氏の回顧

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 沖縄復帰50年を前に、菅義偉前首相と仲井真弘多(ひろかず)元県知事が単独インタビューに応じた。米軍普天間飛行場辺野古移設をめぐり政府と県の対立が続いているが、安倍内閣当時の2013年には、官房長官だった菅氏と仲井真知事が沖縄振興をからめて急接近。仲井真氏は辺野古埋め立てを承認した。菅氏が「あうんの呼吸」と表現した、当時の2人のやりとりが克明に明らかになった。

 沖縄政策を担当する官房長官に就任した時、菅氏が仲井真氏との関係を築くために目を付けたのが、13年度着工予定の那覇空港第2滑走路建設だった。仲井真氏は「観光立県しかない。滑走路は目いっぱいなので2本目を早く」と政府に支援を求めていた。

 菅氏は国土交通省の「埋め立て部隊」に指示し、工期を当初の7年から5年10カ月に縮めた。「そこから仲井真さんは私を評価してくれるようになった」と振り返る。

 一方、仲井真氏が菅氏を「即決、丁寧。話ができそうだ」と認めたのはその直後だった。沖縄県尖閣諸島周辺での日台漁業協定合意がきっかけだ。台湾側と話そうとした県の「頭越し」の合意だと仲井真氏が抗議すると、菅氏は静かに聞いた上で「沖縄の漁民に影響が出れば対応します」と語った。

 仲井真氏は「ここら辺から、官房長官に簡単にアポが取れるようになった」と話した。

 だが、蜜月ぶりが県民の反発を買い、仲井真氏は2014年知事選で三選ならず退陣。それでも菅氏は、県民に成果を示せば理解を得られると考え、普天間飛行場の県内移設などを推し進めていった。

 菅氏はまた、故・翁長雄志知事と溝を深めた暗転の経緯についても振り返った。

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