「開門調査を」改めて主張 諫早湾閉め切り25年で佐賀知事

寿柳聡
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 国営諫早湾干拓事業長崎県)で諫早湾が閉め切られて25年を迎えた14日、佐賀県の山口祥義知事は定例記者会見で、「(有明海の異変の)原因究明のための開門調査が必要だ、というのが我々の一貫した考え方」と改めて説明した。

 知事はノリの大凶作やタイラギ大量死などを挙げ、「環境変化に対して様々な取り組みが行われてきたが、いまだ原因究明はなされていない」と指摘。「漁業者はなにも悪くない。原因を追究したいというのは当たり前」と述べた。

 1997年4月は旧自治省から鳥取県に出向中だった山口知事は、中止となった中海干拓事業に触れ、「中海は途中で止まった。当時、テレビで映像を見ながら、ああ、有明海はやるんだ、という思いだった」と振り返り、「なんとか止められなかったか、という思いがある」とも話した。

 開門を命じた確定判決を無力化する福岡高裁判決について「言葉は悪いが(国の)ごね得。それはないんじゃないの、と思います」と指弾。問題解決に向け「裁判の上塗りをやり続けている以上は止まらない。国と漁業者の協議に向けた環境が整うように尽力したいし、国もそういう考え方で対応していただきたい」と改めて語った。(寿柳聡)

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