オミクロン株変異「XE系統」を国内で初確認 成田空港に到着の女性

市野塊
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 厚生労働省は11日、新型コロナウイルスオミクロン株の変異の一つ「XE」系統を、国内で初めて確認したと発表した。3月26日に米国から成田空港に到着した30代女性から見つかり、国立感染症研究所で解析して判明した。XEは、国内で置き換わりつつある「BA.2」系統よりも感染が広がりやすいとの研究結果がある。

 厚労省によると、女性は到着時は症状がなかった。施設で療養し、すでに退所している。ワクチンは米ファイザー社製を2回接種していた。

 XEは1月に英国で初めて報告。イングランドでは、4月5日時点で解析した全感染例の1%未満の1125件が確認された。米国やデンマークなどでも報告例がある。

 世界中で当初流行していたオミクロン株の「BA.1」と、より感染力が強いとされる「BA.2」の遺伝子が交ざる「組み換え」によって生じたとみられる。英国の暫定的な分析では、感染者が増える速度がBA.2より約13%高かった。症状を引き起こす病原性がBA.2より高いかはわかっていない。

 一方、厚労省の説明に同席した斎藤智也・国立感染症研究所感染症危機管理研究センター長は「XEは、広がるスピードが速いようだと定量的に見えているが、いろいろな可能性を考える段階。特にXEだけを警戒するものではないと思う」と話した。

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この記事を書いた人
市野塊
サンフランシスコ支局
専門・関心分野
気候変動・環境、医療、テクノロジー
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    磯野真穂
    (東京工業大学教授=応用人類学)
    2022年4月13日8時13分 投稿
    【視点】

    科学用語が次々と細分化され、その細分化されたものに対し「注意を払え」と言われるようになったとき、私たちは「何かおかしい」とアラートを発する必要があります。 新型コロナウイルスははじめは、「コロナ」と言われていたのに、それが次には「変異

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