「文学部なんか無意味」の呪い解けた 教え子から教授に届いたメール
3月下旬、かつての教え子から石井倫子さん宛てにメールが届いた。
石井さんは日本女子大学文学部の教授で、送り主は3年前に卒業したゼミ生。
担当するゼミは少人数で、個性的な学生が集まってくるため、ひとりひとりのことをよく覚えている。
彼女は、宝塚歌劇の熱烈なファンだった。
もともと近代文学が好きで日本文学科に進学したが、授業で中世文学史に興味を持つように。
中世文学を専門とする石井さんの授業を多く履修し、卒業論文は源義経を主人公にした御伽草子『御曹子島渡(おんぞうししまわたり)』をテーマに選んだ。
目的達成のために手段を選ばない非情な人間から、非力な御曹司へと義経像が変化した過程を明らかにした。
発表資料のボリュームもさることながら、わかったことや疑問点を熱っぽく語る様子が印象に残っている。
◇
いまは会社員として働いている彼女が送ってきたメール。
近況報告もつづられていたが、伝えたかったことはそれではない。
社会に出て気づいた「文学部で学ぶ意味」についてだ。
具体例を挙げながら、こう記していた。
「会社で働いている今、20…
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