「ミカン下北」オープン、下北沢駅周辺広がる再開発
下北沢駅(東京都世田谷区)の高架下に、商業施設「ミカン下北」がオープンした。コンセプトは「遊ぶと働くの未完地帯」。開業を記念して2、3日、「未完祭」が開かれた。同駅周辺は京王電鉄と小田急電鉄、世田谷区、住民も参加して大規模な再開発が進められている。
未完祭では、3Dプリンターの失敗作を集めた「もじゃもじゃコンテスト展」が開催され、訪れた人たちは「なんでこんな形に?」と楽しんでいた。3日は楽しい失敗談を紹介する動画も配信。主催した3Dプリンターの会社「メルタ」広報の岡本展尚さんは「印刷に失敗した時に生まれるプラスチックのもじゃもじゃが笑いを誘い、時には芸術的で感動も」と話した。作品は5日まで展示されている(正午~午後8時)。
「ミカン下北」は、下北沢駅から茶沢通りまでの高架下スペースに京王電鉄が整備した。名称は挑戦と変化を続ける「未完」を表現したという。下北沢らしさを感じさせる古着や雑貨の店、ベトナムやタイなどアジアの料理が楽しめる飲食店など17店舗がオープンし、夏ごろには20店舗になる予定だ。
施設はほかに、デスクで仕事できるコワーキングスペースや会議室などとして利用できるシェアオフィスもある。区は、区立図書館の蔵書を予約して借りたり、返却したりできるカウンターを設置した。
同駅周辺のまちづくりは、井の頭線の高架化と小田急線の地下化に伴って進められてきた。地下化でできた線路跡の約1・7キロには、小田急電鉄が商業施設や温泉旅館などを建設。区は住民と協議しながら「防災と緑」をテーマに緑地や広場、通路などを整備した。再開発事業は「下北沢駅前交通広場」を残して、ほぼ整ったという。