東京への直通運転、17日ぶり再開 山形新幹線

辻岡大助 福地慶太郎

 3月16日夜に起きた福島県沖地震の影響で一部区間が不通となっていた山形新幹線について、JR東日本は2日、東京までの直通運転を17日ぶりに再開した。乗客らからは、喜びの声が上がった。

 運転を見合わせていた東北新幹線が郡山―福島で復旧。これまで福島―新庄間で折り返し運転をしていた山形新幹線「つばさ」が、この日から通常の75%にあたる上下計24本の臨時ダイヤで東京までの運転を始めた。

 山形駅で全席指定7両編成の上り「つばさ258号」に乗ろうとしていたのは、群馬県太田市のガードナー菜穂子さん(41)と小学校3年の長男陽輝(はるき)君(8)。地震後の3月下旬に新幹線と在来線を乗り継ぎ、山形市内の祖父母宅に帰省したが「車内がぎゅうぎゅう詰めでしんどかった」。そのため戻りは、直通運転の再開まで待ったという。「きょうは座れるので、うれしいです」と陽輝君。

 山形市の伊藤智彦さん(47)は、妻の恵里奈さん(46)と新幹線が大好きだという長男の翼玖(たすく)君(3)とともに、山形駅で入場券を買い、ホームに停車した「つばさ」を見に来た。親子3人で直通運転の再開を喜び、翼玖君は一言、「良かった」。

 一方、東京まで直通運転を再開した東北新幹線の福島駅でも、スーツケースや大きな荷物を手にした人たちが行き交った。仙台市の会社員女性(24)は、朝4時に起きて在来線で1時間半かけて福島まで行き、9時過ぎの上り新幹線に乗り込んだ。「福島まで復旧したのはよかったけど、まだ不便ですね。早く仙台から乗れるようになってほしい」

 郡山―福島間は当面、徐行運転を行うため、東京―山形間の所要時間は通常より5~10分程度長くなる。通常運転の再開時期は未定という…

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この記事を書いた人
福地慶太郎
科学みらい部|原子力担当
専門・関心分野
原子力、福島第一原発事故、生命科学