第16回Qの投稿をたった1人で翻訳? 日本のQアノン運動を導いた「エリ」

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ニューヨーク=藤原学思

前回のあらすじ

これは危ないことになりかねないーー。米国ではオウム真理教の専門家としても知られるサラ・ハイタワーは、日本語圏のネット上でQアノンが拡大している兆候に気がつき、危機感を覚えます。そして実際、Qアノンは日本でも急激に、そして大規模に広がっていきます。

 昨年12月、ツイッターに一つのアカウントが開設された。

 「Eri2.0」。そう名乗る人物は、日本のQアノン運動を主導し、大きな影響を与えた「エリ」だとみられる。

 エリは1年以上前、ツイッター社からアカウントを凍結されていた。その際のフォロワーは8万人以上。トランプ政権の元大統領補佐官(国家安全保障問題担当)、マイケル・フリンのほか、米国における「Qアノン」のインフルエンサーらにもフォローされていた。

 現在は再開したツイッターがまた凍結されたが、Qアノンの信奉者がよく使う「テレグラム」や「ギャブ」を利用している。そして、新型コロナウイルスのワクチンやウクライナ危機について、根拠の疑わしい情報を拡散している。

「たった1人で」日本語に訳す作業?

 なぜ、エリが日本のQアノン運動における重要人物なのか。

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 Qアノンが信奉する謎の人物…

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この記事を書いた人
藤原学思
ロンドン支局長
専門・関心分野
ウクライナ情勢、英国政治、偽情報、陰謀論

連載Qを追う 陰謀論集団の正体(全19回)

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