空っぽのキャンプ、混乱少ない国境の街 ウクライナ難民の向かう先は
ロシア軍の侵攻を受けたウクライナから、国外に逃れる難民の数は、400万人に迫る勢いです。2015年に多数のシリア難民らが到来して引き起こされた「欧州難民危機」の数倍の人数にあたります。しかし、各国で政治問題化した当時のような大混乱は、今回まだうかがえません。いったい何が違うのでしょうか。なぜ今回の「難民危機」は、欧州で大きな騒ぎにならないのでしょうか。その背景を、ルーマニアとの国境で探りました。
ウクライナ国境から車で40分ほどの街スチャバは、ルーマニア北部の中心都市だ。この郊外に立つマンダキ・ホテルは、付属の結婚式場を難民向けに開放し、ベッド170床を用意した。
ウクライナから到着したばかりの人々は、約200人のボランティアの助けを受けつつ、ここで休息し、次の目的地に向かう。
3月15日に会ったエリザベトさん(33)は、激しい攻撃を受けた南部の街クリビーリフを前日の午後3時に出発。翌朝国境を越えてルーマニア側の街シレトに入り、このホテルにたどり着いた。
「朝早かったので、国境の行列も10人ほど。出入国にさほどの時間はかかりませんでした」
「友人のもとへ」 欧州難民危機との違いも
ウクライナの首都キエフの通…
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- 【視点】
2015年から今でも続くシリア、アフガニスタン等からの難民への対応とのあまりの差に愕然とする。EUはウクライナ人の難民に即座に入国ビザを与えることを素早く決定したため、国境付近の混乱が軽減されている。またウクライナ近隣諸国の各自治体が多くの
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