高松塚の国宝壁画発見50周年シンポ 「日本美術史の最初を飾る」

編集委員・中村俊介
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 高松塚古墳奈良県明日香村)の国宝壁画発見50周年を記念したシンポジウム「高松塚が目覚めた日――極彩色壁画の発見」(朝日新聞社など主催)が20日、東京の有楽町朝日ホールであった。

 50年前の発見当時、文化庁職員だった有賀祥隆氏(東京芸大客員教授・東北大名誉教授)は基調講演で、描かれた人物の衣装や特徴などから海外の影響や制作年代を解説。「中国の表現方法や良質の顔料で極彩色像をつくった、日本美術史の最初を飾るすぐれた作品だ」とその価値を語った。

 続く討論ではそれぞれのパネリストが発見当時の思い出を振り返るとともに、最新の研究成果や壁画を精巧に複製した陶板の有効性をめぐって意見を交換。古代ローマ美術史に詳しい奈良県立橿原考古学研究所青柳正規所長は、壁画を通して「日本もユーラシア大陸の文明文化とつながっている」と語った。(編集委員・中村俊介

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