第2回高1で妊娠「産む。学校も続けたい」訴えた私に、先生はこう言った

有料記事あきらめへん~西成高生の卒業~

加藤あず佐
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 2020年の春休み。16歳だった。

 大阪府立西成高校の1年生だったヨナハさん(18)は、妊娠検査薬を見てショックを受けた。妊娠していた。

 「どうしよう…」

 当時の交際相手に打ち明けると、「一緒に育てよう」と言ってくれた。

 家族には言えなかった。母の都合で、国内外の転居を十数回繰り返してきた。そんな中で溝が深まり、言い出しにくかった。

 産んで育てたい思いは強かったが、批判されるのが怖かった。でも、決心した。

 「絶対に産む。きっと反対されるから、隠し通す」

 すぐに、新型コロナによる一斉休校になった。つわりもなく、誰に悟られることもなかった。学校が再開すると、大きめのブレザーを借り、リュックを前に抱え、「太った」とごまかした。

 妊娠7カ月。ようやく母に打ち明けた。

 学校にも伝えることを決めたが、不安とあきらめが襲った。

 「退学になるのかな…」

 担任の中村優里教諭(28)と、体育科や保健室の女性教員3人との「会議」が開かれた。意思を聞かれ、こう答えた。

 「子どもを産み、留年せずに学校を続けたい」

16歳の春、妊娠していることがわかりました。退学を覚悟しましたが、学校側の対応は予想外のものでした。生徒がくだした決断とは。

■示された両立の道 「ママ」…

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    中塚久美子
    (朝日新聞専門記者=子ども、貧困)
    2022年3月24日12時14分 投稿
    【視点】

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