ファミマガ、高橋名人…攻略本、ゲームしなくても楽しい?魅力再発見

中野龍三
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 懐かしの「ファミマガ」や「ファミコン通信」がずらり。ビデオゲームの本だけを集めた企画展「雑誌・攻略本・同人誌 ゲームの本」が、5日から北海道小樽市立小樽文学館で開かれている。ゲームそのものではなく、ゲーム文化を陰で支えた「本」に焦点を当てることで、日本が誇るゲーム文化の魅力を再発見するのがねらいだ。

 企画したのは、ゲーム本コレクターで研究家の山本耕平さん(46)=札幌市=ら。山本さんによると、ゲーム本の歴史は1980年代前半にさかのぼる。「スペースインベーダー」の登場で始まったビデオゲームの流行で、ファンらが情報共有のために同人誌を作ったのが始まりだ。

 その後、ファミリーコンピュータなど家庭用ゲーム機が普及すると、各出版社がこぞってゲーム雑誌や攻略本を刊行するようになった。90年代以降は、ゲームをしなくても、読み物としても楽しめるものに変わっていったという。

 山本さんは約4千本のゲームソフトや約3千冊のゲーム本を所有している。企画展ではコレクションなどから選んだ貴重な500点以上を、歴史やテーマに沿って4章に分けて展示した。「ゼビウス1000万点への解法」など黎明(れいめい)期の同人誌を集めた第1章、「Beep」など出版各社が発行した雑誌をそろえた第2章のほか、札幌市出身の高橋名人や、裏技といったキーワードを設定して関連本を紹介する章もある。

 目玉は、初のファミコン雑誌「ファミリーコンピュータマガジン」(ファミマガ)などを、創刊号から一面に並べて変遷がわかるようにした展示だ。出版社ごとに刊行雑誌の歴史をたどる系統図もつくった。実際に雑誌が読めるコーナーもある。

 山本さんは「ネットがなかった時代につくられたゲーム本には価値がある。日本のレトロ文化は海外では人気が高いが、日本には素晴らしいものがあったと日本人にも改めて知ってもらいたい」と話している。

 4月24日まで(期間中に一部展示入れ替え)。3月20日、4月3、24日には山本さんによる解説がある。入場料は一般300円、高校生など150円、中学生以下無料。原則月曜休館。(中野龍三)

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