ネーサン・チェンが語った理想像 アジア系米国人からの刺激も
北京=遠田寛生
ネーサン・チェン(米)は少し疲れた表情で報道陣の前にやってきた。
無理もない。北京五輪フィギュアスケート男子で金メダルを獲得してから10日ほど。エキシビションが行われた2月20日のことだった。
張り詰めた緊張感が緩み、長年蓄積した疲労が出ていてもおかしくない。
「決まっているのは…」。気になる今後についても語りました。
2メートルほど離れた場所に立ち、互いにマスク姿だ。こんなに話しづらい・聞き取りづらい状況でも、答えてもらえるだろうか。
記者の心配は取り越し苦労に終わった。そこには丁寧に受け答えするいつもと変わらない姿があった。
紆余(うよ)曲折あった4年の旅がついに終わった。感慨深いのか、ほっとした気持ちが強いのか、ほかの感情があるのか。
終了直後の心境を彼自身がどんな言葉で表現するか、聞いてみたかった。
質問の意図をすぐに理解したようで、こちらの目を見ながらしみじみと語り始めた。
ネーサン・チェン選手の記事を2週連続でお届けする予定です
「今はとにかく感謝の気持ち…