「一票の格差」訴訟、昨年の衆院選は「合憲」 名古屋高裁金沢支部

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平川仁
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 「一票の格差」が最大で2・08倍となった昨年10月の衆院選をめぐり、弁護士グループが「投票価値の平等を定めた憲法に反する」として選挙の無効(やり直し)を求めた訴訟の判決が24日、名古屋高裁金沢支部であった。蓮井俊治裁判長は、富山、石川、福井県の計8小選挙区について「合憲」と判断し、原告側の請求を棄却した。

 弁護士グループが289小選挙区すべての選挙無効を求めて全国14高裁・支部に計16件起こした一連の訴訟で、判決は14件目。これで「合憲」が8件、「違憲状態」が6件となった。判決は3月9日に出そろい、最高裁が年内にも統一判断を示す見通しだ。

 最高裁は、最大格差が2倍を超えた2009、12、14年の衆院選について、都道府県にまず1議席割り振る「1人別枠方式」の問題点などを挙げ「違憲状態」と判断。格差が1・98倍となった17年の衆院選については、都道府県の人口比をもとに定数を配分する「アダムズ方式」の導入を16年に決めた国会の姿勢などを評価して「合憲」とした。

 ただ、今回の衆院選にアダムズ方式の導入は間に合わず、格差は2・08倍に広がった。選挙区ごとの有権者が最も少なかったのは鳥取1区の約23万人で、最も多かった東京13区は2・08倍の約48万人。単純計算すれば、東京13区の人の一票の価値は、鳥取1区の人の0・48票分になっていた。

 弁護士グループは、国会が議員定数の配分や選挙区割りの調整を怠ったと主張。一方、被告の選挙管理委員会側は、当初の見込みと異なる人口の増減によって格差は広がったが、アダムズ方式の導入で「早晩、確実に解消される」として請求の棄却を求めていた。(平川仁)

「合憲」「違憲状態」「違憲」の違いとは?

 選挙区ごとの人口の違いから…

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