福岡・うきは市の西ノ城古墳はまるでキャンディー ルーツは瀬戸内?

有料記事

今井邦彦
[PR]

 福岡県南部・うきは市で見つかった西ノ城古墳(3世紀後半~4世紀初め)が、九州ではこれまで知られていない珍しい形状であることが分かり、考古学者らの注目を集めています。「双方中円墳」と呼ばれるその形は、まるで包み紙にくるまれたキャンディーのよう。ルーツをたどると、意外な地域とのつながりが見えてきました。

 西ノ城古墳は、うきは市の市街地を南から見下ろす耳納(みのう)連山中腹の高台に位置する。中世~戦国期にこの地域を治めていた問註所(もんちゅうじょ)氏の山城、井上城の支城(西ノ城)跡として知られていた。この場所に公園を造成する計画が立ったため、うきは市教委が2020年度に発掘調査をしたところ、墳丘の表面に石を貼り付けた「葺石(ふきいし)」が見つかり、古墳と判明した。今年度は形状や大きさの確認のための調査が進められている。

 特徴的なのはその形だ。長径約37メートル、高さ約10メートルの楕円(だえん)形の墳丘の東西に短い突出部が付き、全長は約50メートル。墳形の分類は円形の墳丘の両端に方形の突出部がつく双方中円墳になるが、中円部が完全な円形ではなく、突出部の向きも正確に180度ではないため、不整形な印象を受ける。

 墳丘は下半分をもろい岩盤か…

この記事は有料記事です。残り1445文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません